■ホワイト・スイス・シェパード・ドッグ(White Swiss Shepherd Dog) ■
歴史
2011年にスイス原産の新しい犬種としてFCI(国際畜犬連盟)に正式に登録された本種は、元々はジャーマン・シェパードの繁殖ラインを歩んでいた。そして、後にジャーマン・シェパードから独立した犬種である。
独立後の最初の15年間、ジャーマン・シェパードと全く同じ繁殖が行われ、この種の血統や能力は、ほぼジャーマン・シェパードと言っても良いだろう。
この種がジャーマン・シェパードから独立した理由は、1933年、ジャーマン・シェパードの原産国ドイツがホワイトカラーのシェパードを【スタンダードとして失格】を正式に決定したことに起因する。
失格といっても、ホワイトカラーのシェパードになんら欠点はない。ただ、【白い毛色は番犬にはそぐわない】として除外されたのだ。
1960年代、すでにヨーロッパでは絶滅していたホワイトカラーのジャーマン・シェパードを求めて、愛好家がアメリカに渡った。アメリカ生まれのホワイトカラーのジャーマン・シェパード(1966年3月5日生まれのLobo(ロボ)というオス犬)を、翌年の1967年にスイスに連れ帰ったことがこの種の確立への始まりである。
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原産地:スイス
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原地名:ベルジェ・ブラン・スイス
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平均体高:オス63cm メス56cm
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平均体重:35〜40KG
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カラー:ホワイト
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コート:ミディアム〜ロングコート
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寿命:10年〜14年
<資料:YouTube>
ホワイト・スイス・シェパード・ドッグは、ジャーマン・シェパードに他犬種を交雑し誕生させた犬種ではない。純粋にジャーマン・シェパードである。しかし、人為的にジャーマン・シェパードを選別した結果、異なる部分が存在している。
本種はジャーマン・シェパードと異なり、背骨は斜傾していない。そのためジャーマン・シェパードよりも後肢が直立し、がっしりとした体躯である。
時に、本種はジャーマン・シェパードよりも穏やかで飼いやすいと記されることがあるが、それは飼い主の力量次第である。
前述したように、血統はジャーマン・シェパードである。作業性能は非常に高い。
“穏やか”という言葉を鵜呑みにせず、しつけをしっかり行わなければならない犬種であることは事実だ。
適応性
マンション、アパートの適応
★★★☆☆
初心者への適応
★★☆☆☆
感受性レベル
★★★★★
寒さへの適応
★★★★☆
暑さへの適応
★★★☆☆
家族への愛情
★★★★★
子供への適応
★★★★☆
他人への適応
★★★★☆
他犬への適応
★★☆☆☆
グルーミングの頻度
★★★★★
よだれの量
★★☆☆☆
健康面の管理のしやすさ
★★★★☆
訓練のしやすさ
★★★★★
知性
★★★★★
狩猟欲
★★★★☆
運動の必要性
★★★★★
エネルギーレベル
★★★★★
ハイライト
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平均生体価格は25万〜35万。高額な犬種である。
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知能が高く、活発、加えて独立心も高い、そのため家庭犬としての9つのしつけは必須項目である。
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高い学習能力を持っているため、基本的なしつけ以外にも知的な頭脳労働なども取り入れてやる必要がある。
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しつけが入っていればマンションなどの集合住宅地でもよく馴染む。
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1日2時間程度の散歩に加え、週に数回、十分に走れる場を提供する必要がある。
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穏やかで飼いやすいと記されることが多いが、本種は環境と飼い主によって性格と性質が大きく異なる。
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抜け毛は目立つため、こまめなグルーミングは必要である。
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ホワイトカラーはアルビノではない。ジャーマン・シェパードの作出時に挿入された白い毛をもつスピッツ系の種に由来する。
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白いシェパードは、本種の他に、アメリカン・カナディアン・ホワイト・シェパードがいる。
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【白いシェパード】、【ホワイト・スイス・シェパード・ドッグ】、【アメリカン・カナディアン・ホワイト・シェパード】の3種は似ているため専門家でも見比べは容易ではない。
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希少な犬種ゆえペットショップではあまりみかけない。そのため専門ブリーダーから迎えることになる。
<資料:YouTube>
愛好家たちはLobo(ロボ)というオス犬だけでなくカナダ生まれのホワイト・シェパードも連れ帰りブリーディングを行なった。
このようにアメリカ生まれ・カナダ生まれのホワイト・シェパードのことを【アメリカン・カナディアン・ホワイト・シェパード】と呼ぶ。
アメリカン・カナディアン・ホワイト・シェパードに人為的選択を加え、スイス原産のホワイト・シェパードが誕生した。
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