Eye Contact
アイコンタクトは様々な問題行動を起こすシーンで役に立つコマンドです。このコンタクトが取れるかどうかでワンちゃんのストレスレベルと、飼い主の手に負えなくなりつつある状態かどうかも推し量ることができます。
アイコンタクトの教え方のポイント
・おそらくステップ9までは比較的簡単に出来ると思います。ですが、アイコンタクトで最も重要なのはステップ10です。
・名前を連呼しないように気をつけましょう。
アイコンタクトの教え方
1:子犬に向き合い座ります。
2:右手に持ったおやつを鼻先に持って行きにおいを嗅がせます。
3:子犬がおやつに気がついたら、名前を1回だけ呼び、同時に素早くおやつを持った手を自分の眉間の位置まで上げます。
4:子犬の顔が手につられて上がり、目があったら褒めておやつを与えます。このとき、目を見てくれなければ、唇を鳴らして注目させましょう。
子犬が1〜4に慣れたら、次のステップです
5:子犬と向き合って立ちます。この時おやつを持った右手は腰、または胸の位置です。
6:名前を呼び、目があったら褒めておやつを与えます。名前は連呼しないように気をつけましょう。おやつを持った手の位置は動かしません。名前だけ呼び、目を見てくれなければ、唇を鳴らして注目させましょう。なかなか目を見てくれない場合ステップ1に戻りましょう。
子犬が5〜6に慣れたら、次のステップです。
7:子犬と向き合って立ちます。この時おやつを持った右手をあげて顔の横、サッカーボール1〜2個分ほど離した位置に持って行きます。
8:子犬が手に注目したら、名前を呼び、目があったら褒めておやつを与えます。名前は連呼しないように気をつけましょう。目を見てくれなければ、唇を鳴らして注目させましょう。
子犬が7〜8に慣れたら、次のステップです。
9:ステップ7のポーズで名前を呼び、飼い主の目を見たらそのまま何秒かおいて、褒めておやつを与えます。3秒、5秒、7秒、と、飼い主に注目させる時間を徐々に伸ばしていきます。 まずは10秒を目標にしましょう。
10:外に出て、ステップ5〜8を繰り返し、アイコンタクトを強化していきます。
・“アイコンタクト”は自宅で行なうには難しいしつけではありません。ですが、騒がしいところ、他の犬が通る、などの、“気が散る場所”で、飼い主に注目してくれるようになることが、最終目標です。
・名前を呼び、一瞬ちらっと見ただけで、すぐに興奮する対象に視線が戻るようであれば、まだまだアイコンタクトを強化する必要があります。
・このステップ10を強化することは、犬の問題行動の原因の1つとなる犬同士の【にらみ合い】を避けることができるようになります。
<資料:YouTube>
【子犬の生後5ヶ月】は1つの目安
生後5ヶ月の子犬にステップ10を行ない、飼い主に注目することが出来ない場合、例えば、落ち着きがなく他の人や他の犬を凝視したりキョロキョロしたり、他の犬が近づいてきた時に、立ち上がりリードを引っ張って行こうとしたりする場合、そしてその時既に、飼い主がリードを制御しづらくなっている場合は、そろそろ手に負えなくなりつつある段階に入ろうとしています。
これまでの接し方としつけ方を見直しましょう。
【訓練士に頼む】という方法を視野に入れてなかった場合、新たな選択肢として検討してみることも良いでしょう。
このような落ち着きのない子にしてしまう原因の一つに、ボール投げやロープの引っ張りっこを過度に行ないすぎている場合があります。これらの遊びには、【追いかけたい、捕まえたい】という犬の本能“狩猟欲”を高める働きがあるため、飼い主の節制が必須である遊びと心得ておきましょう。
落ち着きと集中力を養う遊び
落ち着きと集中力を養い、かつストレス解消もさせるためには、嗅覚を使った遊びを取り入れることが一番です。においを嗅ぎ分けるという作業には、集中力と冷静さが必ず必要になります。嗅覚を使った遊びは子犬を迎えてすぐに始めることができ、成犬にとっても、ストレス解消できる遊びなので、早速取り入れてみましょう。
嗅覚を使った遊びのやり方
・一口分のおやつを、紙皿にのせ、部屋のいたるところに隠します。そして合図となるコマンド【スタート・探して!】などを新たに決めて、子犬におやつを探させます。分かりやすいところに置くことからはじめて、徐々に隠し場所の難易度を上げていきましょう。
・ポイントはその犬にとって別格に喜ぶおやつ(茹でたささみやレバーなど)を用いてあげることと、おやつを一口分に割いて、紙皿にのせ、隠すまでの一部始終を見せておくことです。
・遊びのコマンドを別に設けることと、一部始終を見せておく理由は、道端の拾い食いと嗅覚遊びをしっかりと区別させるためです。
・その他、市販されている“知恵おもちゃ”は嗅覚や頭脳を使っておやつをとることを目的とした玩具です。紙皿の用意が出来ない時などはおもちゃを用いてあげるのも良いでしょう。